SIAL la Salon International de l’Alimentation
: UPDATE /例年になくいいお天気が続いた今年のパリの秋。10月の最終日曜日に夏時間が終わって1時間時計を進め、日が暮れるのが早くなり、朝吐く息が白くなり・・・そろそろ冬の気配を感じ始めました。
パリの秋はサロン(展示会)の季節。まずモーターショー、サロン・ドゥ・ショコラ、そしてサロン・デ・ヴァン(ワイン)。
そんな中、今回10月19日から23日の五日間、パリで開催されたSIAL、世界最大級の食品展示会へ行ってきました。
シャルル・ドゴール国際空港近くの展示会場で大小8つのホールを全部使って6500企業が世界中から集まります。
ホームページ:http://www.sialparis.fr
ワイン、お菓子、冷凍食品、缶詰・・・食品の展示会ということで、おなじみの商品がたくさん。
広すぎてとても全部まわることはできません。それどころか、中に入ると広すぎて迷子に・・・。
今回は「乳製品と卵」というホールを中心にお邪魔してきました。
フランスの会社が多いかと思いきや、主にヨーロッパから大小さまざまな企業が出展していました。
こちらはSODIAALというフランスで第2の乳業会社。傘下に色々な会社を有し、日本にも輸出している企業も。
チーズを食べながら商談。
日本でもおなじみ、チェックの模様がかわいいカマンベール・チーズ、LE RUSTIQUE。
こちらはフランスのスーパーでおなじみのブランドRians。チーズやヨーグルト、デザートなどの乳製品を作っています。
ホームページ:
http://www.rians.com/pr-35-l-affine-au-chablis.htm
こちらのブースではこれから日本に新しく輸出されるという商品を色々紹介してもらいました。
Le Roule
まずこちらのロールケーキのようなもの、実はケーキではなく牛乳とクリームからできているディップ。でも作り方はロールケーキと一緒。シート状にしたクリームにガーリックとパセリをまぶして・・・それをなんと手で巻くそうです。
ロール状になっていることでガーリックとパセリの味が均等に感じられ、かつ塩味控えめでクリームの美味しさが引き立ちます。
テーブルに並べていると可愛いし、パンやクラッカーに塗って食べると簡単で美味しいアペリティフに。
クランベリーのものもあってこちらはデザートにもいいかも。
近々日本のスーパーでも見ることができるようになるそうです。お楽しみに。
Crème Brulee (クレーム・ブリュレ)
こちらはフランスの代表的なデザート、クレーム・ブリュレ。フランス映画「アメリ」でも有名になりました。上にかけたザラメをバーナーであぶって固くなったところを映画の主人公のようにスプーンでぱりっと割って食べます。
「レストランの味を家庭で」がモットーだということで、本当にレストランのデザートに引けを取りません。生クリーム100%だそうですが、重すぎず、甘すぎずさっぱりしていて日本人好みの味。
このシリーズ、コーヒーやキャラメル風味があってどれもおいしい。
La Cabrette、La Brebette
こちらはディップタイプのフレッシュチーズ。シェーブル(山羊乳)とブルビ(羊乳)の2種類があります。
匂いが気になるかな、と思っていましたが意外や意外、チーズの旨味とヨーグルトのような酸味がとてもいいバランス。さっぱりしているので夏向けかも。今の時期は軽いブランチにいいかもしれません。
シェーブルが苦手な方にもぜひ挑戦してもらいたいディップです。
GERMAIN
そしてチーズはこちらのGERMAINというブランド。
味見をさせてもらったものの中からこれまで食べたことがなかったチーズを紹介します。
Langres(ラングル)AOP
まずシャンパーニュ地方のAOPチーズのLangres。ウオッシュタイプです。
真ん中のくぼみはFotaine(泉)とよばれ、熟成する時にひっくり返さないことからできるそう。エポワスに似ていますが、見た目と違ってとてもフレッシュで食べやすい。
やはりシャンパンと合わせて食べてみたい。
名称 | Langres (ラングル)AOP |
---|---|
産地 | ラングル・シャンパーニュ地方 |
熟成 | 2-3ヶ月 |
重さ・形 | 300g、円柱 |
サイズ | 直径10cm、高さ5cm |
乳 | 牛 |
タイプ | ウオッシュタイプ |
L’Affine de Chablis
こちらはワインのシャブリで表面を洗って熟成させたアフィネ・オ・シャブリ。
ウオッシュタイプですがとてもマイルド。やはりおいしいチーズを食べるとワイン、もちろんシャブリ、がほしくなります。
名称 | L’Affine de Chablis |
---|---|
産地 | ブルゴーニュ地方 |
重さ・形 | 200g、円柱 |
乳 | 牛 |
タイプ | ウオッシュタイプ |
次はこちらはIntervalという企業のブース。
企業ホームページ:http://www.intervalexport.com/index.html
小さなチーズの会社の輸出を担当している企業で、いくつかの会社が同じブースに参加しています。
私がコルシカで見たチーズも発見。
タルティーン
オーベルニュのチーズを作っている生産者にタルティーンという商品を味見させてもらいました。
Blue d’Auvergne(ブルー・ドーベルニュ)、Fourme d’Ambert(フルム・ダンベール)そしてSaint Nectaire(サン・ネクテール)3種類のチーズにそれぞれクリームを混ぜたもの。クリームチーズのような質感でパンにもとても塗りやすくなっています。
それぞれクセのあるチーズですがこれだととても食べやすい。チーズの風味と塩味のバランスがいい。ステーキのソースやパスタの隠し味にもオススメ。
マンステール
以前にご紹介したマンステール。こちらのチーズはアルザスのマンステール村で作られて熟成されている唯一のマンステール。
マンステール(Munster)という村の名前は Monastere(修道院)というフランス語に由来していて、もともとはその修道院で飼っていた牛の乳からこのチーズを作っていたそうです。
世界のチーズ
今回見て回ったチーズの展示会場、意外にも海外の生産者が多く出展していました。
その中からちょっと変わったチーズをいくつかご紹介します。
イタリアのチーズCaciocavallo (カチョカヴァロ)
巾着袋のような形のチーズ。フランスのハードタイプチーズよりも固く味は淡白。
オランダのチーズ
ゴーダをベースにバジル、アスパラ、マッシュルーム、パプリカなどで味を付けたもの。
日本人も大好きなタイプのチーズ。
カラフルで見た目も楽しい。
キプロスのチーズ Halloumi
モッツァレラチーズのようなチーズ。焼いても溶けないので、焼いたものをトマトと一緒にピタパンにはさんで食べるそうです。
巨大な展示会の本当に一部しかご紹介することができませんでしたが・・・少しでも雰囲気を感じ取っていただけたでしょうか?
新しい商品が次々と出る日本と違って、フランスはとても食にコンサバだと思っているのですが、普段スーパーで見ていても実際手に取って食べていないものがたくさんありました。
今日ご紹介したチーズたちもこれからは日本でも手に入るようになるそうです。
お店で見かけたらぜひ手に取って自分の舌で味わってみてください。